「デカフォレストに聞きました」第17回 山本 勇さん

野辺山ウルトラマラソン「デカフォレスト」
デカフォレスト 山本 勇さん
山本 勇さん(埼玉県)

野辺山初参加年:1995年
野辺山初完走年:1995年
野辺山完走回数:11回(第11回、12回リタイア、第13回完走、第14回リタイア)


1、ウルトラを始めたきっかけは何ですか?

 マラソンを始めたのが前年(1994年)10月のハーフマラソンであり、ウルトラマラソンという言葉すら知らなかった段階です。ハーフマラソンをやっと走り、フルマラソンを1回走っただけで、初めて挑戦したウルトラマラソンがこの野辺山高原100kmだったわけです。
 若い時から年間通じてずーと登山をやってきました。登山に行くとき、体力がないために誘ってもらえなかったり、途中で登れないために迷惑をかけることがないようにと走り始めたトレーニングのその延長線上にこのウルトラがあります。


2、野辺山ウルトラへ参加のきっかけは何ですか?

 体力的に衰えてくる年代(50歳代)だったので、1年に1度の体力チェックの意味合いをかねて自分の誕生日(9月11日)前後に実施されるマラソン大会で完走して、次の1年も頑張れる体力の証としたいためだったと思います(野辺山100kmウルトラマラソンは最初9月開催だった)。 
 また、1年を通じて登山に通っていた八ヶ岳周辺で地理的違和感なく、隣接県であることがとっつきやすい感じもあって参加したと思います。

 登山と違い、応援やエイドでのサポートがあり、初めてのウルトラではありながら「比較的楽だった」という山本さんも、完走したときは「やり遂げた」と言う思いでうれしかったそうです。
 野辺山を完走したら「今年も頑張れる」、リタイアしたら「何とか頑張らないと」と今でも体力の指標としている山本さん。まだまだ走れる自分を野辺山で確かめているのでしょう。


3、デカフォレストを目指した瞬間はいつでしたか?(もしくは、目指したきっかけ)

 10回の区切りまでは何とか頑張りたいと意識していましたが、デカフォレストの言葉さえ頭になかったように思いますし、意識していませんでした。


4、デカフォレストになった瞬間の気持ちを教えてください。

 10回完走して区切りがつき「ホッ」とするとともに、とてもうれしかったです。確かあと10分を切ってすれすれのゴールであったことと、途中から報道車が密着してゴールしてからインタービューをされたとき、同様な質問がされたように思いますが、テンションが上がっていたので、何を喋ったのか忘れています。

 宿に帰り、周りの方々から祝福されたとき改めて実感したそうですが、それ以上に翌年参加して、ナンバーカード、プログラム、会場での名前掲出などでさらにデカフォレストを意識されたそうです。
 他の参加者からは尊敬の眼で見られるデカフォレストも、ウルトラマラソンさえも知らない山本さんの周りの人にとっては想像も出来ないことらしく、「反応はあまりなかった」とか・・・。


5、あなたにとって「デカフォレスト」とは何ですか?

 ウルトラマラソンを走っていて、とてもいい記念となる栄誉と称号をいただきました。
 100kmを10回連続完走は積み重ねの成果で、その御褒美としていただいたものであり、誇りに思っています。がしかし、既に過去のことであり毎年ウルトラマラソンに挑戦する気持ちがあること、挑戦できる体力があること、そして完走出来ることの方がより大きな喜びとなっています。

 これからも挑戦し続けるために山本さんが続けているのはテレビを見ながら腹筋300回。常に「健康体」であること、「100kmに挑戦する」と言う気持ちを持ち続けることも重要な要素です。


6、デカフォレストを目指すランナーへメッセージをお願いします。

 デカフォレストという称号をいただいていますが、当面する大会では他の参加されるランナーの皆さん同様、完走を目指してどきどきしながらレースに臨んでいる一人のランナーに過ぎません。そのレースの完走が次の完走へと続いています。
 一歩一歩の歩みが完走へと続き、1回1回の積み重ねが結果として10回のデカフォレストへと続いています。今回を完走することに体力的・気力的に挑戦できる備えとして、走り続ける・歩き続けることが後悔をなくすことだと思います。走り出したら一歩でも前への気持ちを持ち続けることが必要だと思います(自分は既に3回リタイアしているので自戒の意味も含めてです)。


 リタイアを経験する山本さんが教えてくれるのは、完走できたときとリタイアのときでは、体調はもちろんですが、「どうしても走って戻ってくるんだ」と言う気持ちの違いだそうです。最後は気持ちが足を前に進めてくれるのでしょう。
 また、100kmを走ることで「自分の力の無さ」を知ることになり、それは普段の生活では得られないことだという山本さん。自分で選んだ困難・挑戦に向かい、克服・達成できたときの喜びが山本さんをウルトラに惹きつけ続けているのでしょう。


 次回は4月13日。古越三幸さん、城 正幸さんにご登場いただきます。


prev「デカフォレストに聞きました」next