梅雨空の陸上日本選手権

2008年6月30日
梅雨空の陸上日本選手権等々力陸上競技場で北京オリンピック代表選考を兼ねた陸上の日本選手権を見た。 日本陸上界の頂点に位置する大会である。 梅雨前線に覆われたこの日は朝から雨、しかも土砂降り。種目によっては雨で競技に不利なものもあるが、長距離陣にとってはむしろ湿度で呼吸が楽になる、という捉え方もできる。 大会の最終競技は女子5000m。二日前におこなわれた女子10000mについで、この種目にも福士加代子、渋井陽子、小林祐梨子などのトップランナーが顔を揃えた。 展開は終始トップを引いてレースをリードした渋井が残り800mで福士にかわされ、その福士もラスト400mで19歳の小林に抜かれ、若手の後塵を拝する結果となった。初の五輪代表となった小林祐梨子選手、先行きが楽しみだ。 もともと日本陸上界は諸外国とは大きな力の隔たりがある訳だが、オリンピック直前の競技会であるにも関わらず、未だその差大、を感じて、梅雨の雨にも似た気持ちで競技場を後にした次第。 夫々の競技で頑張っているアスリートの大半はより高く、より速く、より遠くを求め、自己を高める努力を重ねていることと思うのだが、競技力向上と同時に、先ずは人間性を磨く、又は心を磨く環境と指導力を整えない限り、日本のスポーツはどんな種目でも伸びてゆかないことをあらためて感じた大会だった。

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