アースマラソンサポート記 北米横断39日目

2009年4月26日
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 午前7:21、Spanish PeakのCucharaとCordovaを右手に見ながら今日のstartを切る寛平さん。山々から吹き下ろす風が朝からきつく冷たい。

 今日はWalsenburgというロッキー山脈南端が途切れる町を通り抜け、北東に向かう36km。今朝は安定したピッチを刻んでいる。緩やかだが長い上り下りが続くR160。日曜のせいか行き交う車も少なく、車の通過風を気にすることもない。アメリカは大型車両というと、コンボイと呼ばれる牽引車で引かれる車が多く、車の長さも高さも日本の大型車の軽く1.5倍くらいの大きさだから通過するときにおきる風圧が物凄い。うっかりすると身体ごと、自転車ごと吹き飛ばされかねない。バイクロードのゾーンは大体2mくらいはあるが、それでも車両レーンから離れた左側を走るように心掛けている。

 寛平さんのペースは7〜7.5マイル/hと快調だ。Walsenburgの町は古そうで、町並みも1960年代くらいな雰囲気。骨董品屋さんが目につく。それこそ西部劇に出てくるような馬車の車輪や蹄鉄、鞍、ランプ、つるはしのようなものから鹿の角や獣の毛皮まで、「これって売り物?」といった感じのものが軒先いっぱいに並べたてられているから面白い。レストランもカフェもやっぱり30年くらい昔のたたずまい。町、と言ってもこれらの集落は1kmも続かず、あっというまに町はずれにきてしまう。片田舎の町はこんなもんらしい。

 10:00、町を外れたあたりでオレンジ色の蛍光ベストを着た高校生や小学生がR160脇でゴミ拾いをしていた。引率の先生が「どこから来たの?」と声をかけてきた。アースマラソンを手身近に話すと、子供たちを集めて興味深そうに寛平さんを囲んだ。寛平さん、早速「あ〜め〜ま〜」を伝授。子供達も一緒に「A~me~ma~!」。たぶん、全然わかってないだろう。こんなことを随所でやりながら気分転換をして走っている。

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 町を抜けると一面の平原。完全な砂漠ではないので牧草もあるから牛や馬たちがのんびり草を食んでいる。いつものことだが、寛平さんの足音を聞きつけて馬があちこちから集まってくる。一様に並んで不思議そうな表情で見送ってくれる。

 寛平さんの走りの技術はどんどん進化してきているようだ。路面に応じた走り方(ひざの使い方、足裏の使い方、路面の応用など)がうまいから脚への負担も少なく、したがって故障も出てこない。スピードは速くないが一定のスピードが崩れない。だから計算ができる。このあたりはウルトラを目指すランナーは、是非、見習ってほしいところだ。
【卓越したランナーの条件】
 ●精神力、つまりあきらめないこと!
 ●回復力、つまり継続する力!
 ●体幹力、つまり故障しない身体をもつこと
 ●そして、自分と、状況を見極める「勘」
 ジャーニーランや超長距離走にはこれらの要素が不可欠。12:32。32.8km地点。「ギリギリやなあ・・」と言って走り出す。目標の13時ゴールまであと28分。

 大草原の真っただ中で本日のゴール、12:56だった。

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